11.9.11

ありがとう、芳子さん



まばゆい幻影 


儚く強く粋な


一人の女性がいました




ピアノを通じて


彼女と過ごした1年は


私の人生でとても大きなものだったと確信しています





かがみ かがみよ かがみさん




彼女は私に 「毒入りの」りんご と




そして最近になって 「魔法の」鏡をくれたっけ。。




『 私はもしかしてあの日 双子を産んだのかもしれない 』


わたしたちの会話はいつもひょんなところからはじまり


「芳子さん、これフレンチクルーラーいうんで。おいしいん」


会いにいく度にお菓子を持っていくのも楽しみでした。


『 ちかこサン これからは“たぬき”年か“いたち”年ていわなきゃだめだよ』


芳子さんとはたくさん約束した。 







私がピアノで失敗をした時に


彼女はそおっと手をのばすかわりに


 中国の古いおはなしをしてくれた




それは だれのどんなことばよりも私にいちばん力をくれた

『 やだねー すき焼きに大根なんていれないよ 』


私が作るすき焼きの大根はだめで、なぜかおうどんは許された


毎週にちようびはきまってすき焼きを2人で食べるのです。


あんず酒で乾杯。女の秘密









たたみ たたみ うれしいな


たたみ たたみ あたらしい


たたみ たたみ すきなのよ


いぐさのにおい なつかしい






ちかこさん ありがとう








 
芳子さん ありがとう
 
 
ピアノの部屋に残された新品のクーラー
私はそれがなにを物語っているか知ってる。



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

фп

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すきなもの うつくしいもの きれいなものを 傍に置くように 音で表現するように (Леф=Left Front of the Arts)

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